ごめんね。今さら遅いけど

「ごめんね。今さら遅いけど」

私は弟に対してとても意地の悪い姉だった。 大阪弁で言うとイケズな姉だった。 弟をいじめてばかりいた。意地悪なこととかいっぱい言って泣かしたり 怒らせたりした。 弟は口では負けるので、手を出してきた。 腕力でも私は負けなかった。弟とはいつもめいっぱいケンカした。 私は弟を泣かすまでやめなかった。ボカボカにしてやった。 悪いと思っている。もちろんこれはほんの子供の頃の話ですがね。 今でも心に残っていることがある。 たしか私が5歳くらいの時に母の新しい口紅をさわっていて ポキンど先をほとんど折ってしまったのだ。 なんかとんでもなく悪いことをしてしまったという 意識だけはあって、 そのままキャップをはめて知らんふりをしてしまったのだ。 すぐに母に気づかれた。まあ当たり前だろう。 「誰や!こんなことしたん!」 母はすごい剣幕で怒った。まあそうだろう。 とっさに私は弟に罪をなすりつけてしまった。 そのせいで弟は、母にこっぴどく叱られてた。 かわいそうだった。ひどいことをしてしまった。とずっと思っていた。 でも言い出せなかった。つらかった。 神様ごめんなさい。神様ごめんなさい。 ずっとあやまっていた記憶がうっすら残っている。 そうなのだ。私は神様にあやまってばかりいた。 本当なら弟にあやまるべきなのに。 私は弟に罪をなすりつけたことで 神様にバチが当たるのが怖かったのだ。 だからバチが当たらないように神様にばっかあやまっていたのだ。 何より自分を守ろうとした。 私はそういうやつだったんだ。ああ自己嫌悪。 弟には申し訳ないことをした。 ずっと大きくなってから弟にその時のことを持ち出して あやまったけど。 弟はもうそんなことは覚えていなかった。 弟とは、高校の頃に些細なことからケンカになって それ以来まともに口をきいていない。 大学生の頃少し仲良くなったけどまたケンカして 口をきかなくなった。 今では、もうこじれてしまって お互い話したくても話せない状態になってしまった。 弟にはもっと優しくしてやればよかった。 と後悔している。 姉らしいことはほとんど何もしないで こきつかってキツイことばっか言って いじめてばかりでごめんね。 今さら遅いけど。

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